●嚥下困難(えんげこんなん)とオブラート
食事や薬を服用するときに、ものが飲みにくいことがあります。特に、その原因が病気や加齢などによる症状を、『嚥下困難』といいます。嚥下困難になった方が薬を飲むときに、のどを通るスピードが速いと、水などが気管に入ってムセやすくなります。薬をのむときは水のほうが飲みやすいように思えますが、水のようにサラサラしたものは速いスピードでのどを通るため食道ではなく気管支に入ってしまい、かえってムセやすくなるのです。
このようなときに、少しでもトロミがついていると、のどを通るスピードが遅くなってムセにくくなります。
オブラートを水につけると、オブラートが溶け、表面がツルツルしてトロミがつきます。ですから、薬を飲むときにオブラートが薬をゲル状に包むので、水だけで飲むときより飲みやすくなるのです。
●薬を飲むときに、オブラートをお試し下さい。
私どもは、『薬を飲みやすく』をモットーに、使いやすさ、ベンリさを追求した商品開発を心がけております。 この、使いやすさ、ベンリさは、介護の場合でも共通することでしょう。薬を飲むときに、ムセにくく、飲みやすくなるということは、介護する側にとっても負担の軽減が期待できます。
【薬を飲む方だけではなく、薬を飲ませる方にもベンリなものを】
●その人に合ったオブラートを
その人に合ったオブラートといってもいろいろな種類があり、そのため私どもにはそれぞれ特徴を持ったオブラートがあります。
●特大オブラート
特大オブラートは、一般的な丸型のオブラートです。
丸型のオブラートは、袋型などより割安ですが、慣れないと薬が包みにくいことが難点でした。そこで、当社では薬を飲むための『薬用補助具』を開発しました。
この薬用補助具は、丸型オブラート1個に1つずつ付いているので、割安で、より使いやすくなっています。
●角型オブラート
薬包紙をイメージした、四角いオブラートです。
このオブラートには、薬を飲みやすくするために、服用時にオブラートと薬をおくための『小皿』を1つずつ付けてあります。
そのまま、直接テーブルなどにおいてオブラートを使うより、ベンリになっています。
特大オブラートと角型オブラートは、『薬用補助具』や『小皿』で、より使いやすくしてありますが、袋型オブラートなどにくらべると、自分の指を使わなければなりません。
しかし、指先を使うことは、脳の活性化等のトレーニングになり、さまざまな健康促進に役立つとも言われています。
●袋型オブラート
袋型オブラートは、名前の通り、袋状に折りたたんで使いやすくしたオブラートです。
当社では、さらに包装箱の引出し部分に差し入れ口をあけて『スタンド機能』を持った箱にしました。包装箱が台になり、袋オブラートを立てられるので、使いやすくなっています。
特に、包装箱にそのままオブラートを立てるので、置いたときの『すわり』が安定しており、薬を飲むときに片手でオブラートを持たなくても良いので、両手が自由に使え、外出時など、オブラートと薬の置き場所がせまい時にもベンリです。
また、キャラメル箱のような引出し式なので、指で押すだけで内箱が出せます。指先に力が入りにくい方にも、使いやすくしました。
●カップオブラート
カップオブラートは業界初のタイプで、さらに使いやすさを追求しました。
カップ型なので、袋型よりも注ぎ口が一回り広くなって薬が入れやすく、また薬を飲むときに、つまみやすい形です。さらに、包装箱の内箱にオブラートの受け皿容器を付けて、袋型より『スタンド機能』を向上させ、より使いやすくしました。
袋型と同じように、引出し式の箱なので、指で押すだけで内箱が出せます。先に力が入りにくい方にも、使いやすくなっています。
袋型やカップオブラートの使いやすさは、介護負担の軽減も期待できるでしょう。
ご使用方法は
1.水を入れたコップ(茶わんでもOK)を用意します。
2.オブラートで、薬を包みます。
3.薬を包んだオブラートを水につけ、すぐに飲みます。水につけると、オブラートの表面がツルツルしてトロミがつき、飲みやすくなります。
*但し、水につけたままオブラートを持っていると、オブラートが溶けて破れてしまうので、ご注意下さい。
*薬を包んだオブラートを、水の入ったコップに入れて飲む方法もあります。水に溶けてゲル状になったオブラートを、スプーンですくって飲めば、手に持ったまま破れてしまうこともありません。
注意!
・オブラートをそのまま飲むと、口の中に貼りついてしまいます。
オブラートはデンプン(お米と同じ性質)でできているので、そのまま飲むと口の中の水分で貼りついてしまうのです。
・お薬の量が多いときは、何回かに分けてお飲み下さい。
多量のお薬を包めばオブラートもふくらみ、そのまま飲んだときにムセたり、もどしてしまう可能性があります。